学研全訳古語辞典 |
おもかげに…
分類和歌
「面影に花の姿をさき立(だ)てて幾重(いくへ)越え来(き)ぬ峰の白雲」
出典新勅撰集 春上・藤原俊成(ふぢはらのとしなり)
[訳] 美しく咲く花の姿を思い描き、その面影を先に行かせながらいくつ越えてきてしまったことだろう、峰にかかる白雲を。
鑑賞
「遠く山の花を尋ぬ」という題で詠まれた歌。鴨長明(かものちようめい)の『無名抄(むみようしよう)』に、俊恵(しゆんえ)が、世間ではこの歌を俊成の自賛歌としていると語りかけたところ、俊成は「夕されば野辺の秋風身にしみて鶉(うづら)鳴くなり深草の里」(『千載和歌集』)〈⇒ゆふさればのべのあきかぜ…。〉を自賛歌と考えていると発言した記事がある。
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