学研全訳古語辞典 |
おぼ-めか・し
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
はっきりしない。よくわからない。
出典枕草子 いみじう暑きころ
「夕涼みといふほど、物のさまなどもおぼめかしきに」
[訳] 夕涼みをするというころ、(あたりの)物のようすなどもはっきりしない時分に。
②
不安だ。気がかりだ。
出典源氏物語 夕顔
「おぼめかしながら、頼みかけ聞こえたり」
[訳] 不安であるけれども、(その人を)お頼り申し上げている。
③
とぼけている。
出典源氏物語 横笛
「思ひ出(い)でたるやうに、おぼめかしうもてなして」
[訳] (今話のついでに)思い出したように、とぼけて振る舞って。◇「おぼめかしう」はウ音便。
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