学研全訳古語辞典 |
かへさ・ふ 【返さふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
繰り返す。
出典源氏物語 常夏
「ねんごろに口入れかへさひ給(たま)はむにこそは」
[訳] 熱心に口添えを繰り返しなさるような場合には。
②
幾度も思い返す。反省する。
出典源氏物語 手習
「かくだに思はじなど、心一つをかへさふ」
[訳] このようにだけは思うまいなどと、自分の心一つを(おさめかねて)幾度も思い返す。
③
幾度も問い返す。反問する。
出典源氏物語 少女
「博士(はかせ)のかへさふべき節々を引き出(い)でて」
[訳] (試験官の)博士の問い返しそうないろいろな点を引き出して。
④
〔「かへさひ奏す」「かへさひ申す」などの形で〕辞退する。
出典源氏物語 行幸
「内裏(うち)より御気色(けしき)あること、かへさひ奏し」
[訳] 宮中よりご内意のあることを、ご辞退申し上げ。
参考
動詞「かへす」の未然形に反復継続の助動詞「ふ」がついて一語化したもの。
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