学研全訳古語辞典 |
けやけ・し
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
風変わりだ。異様だ。変わっている。
出典源氏物語 胡蝶
「めざましかるべき際(きは)はけやけうなども覚えけれ」
[訳] 意外につまらない身分の者は風変わりだなどとも思われた。◇「けやけう」はウ音便。
②
きわだって目立っている。特別だ。
出典大鏡 道長下
「けやけき寿(いのち)持ちて侍(はべ)る翁(おきな)なりかし」
[訳] きわだって(長い)寿命を保っております老人であることよ。
③
きっぱりしている。
出典徒然草 一四一
「人の言ふほどのこと、けやけくいなびがたくて」
[訳] 人が言ったことに、きっぱりといやだと言えなくて。
④
きわだってすぐれている。すばらしい。
出典大鏡 道長下
「それをだにけやけきことに思ひ給(たま)へしに」
[訳] それ(=紀貫之(きのつらゆき)の歌)だけでさえすばらしいことに思っておりましたが。
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