学研全訳古語辞典 |
こころ-なし 【心無し】
分別のない者。不注意者。
こころ-な・し 【心無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
無情だ。思いやりがない。
出典万葉集 一七
「しばしばも見放(みさ)けむ山をこころなく雲の隠さふべしや」
[訳] ⇒うまさけ…。
②
情趣がわからない。風流心がない。
出典新古今集 秋
「こころなき身にもあはれは知られけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ」
[訳] ⇒こころなき…。
③
物の道理がわからない。無分別だ。
出典徒然草 一四二
「こころなしと見ゆる者も、よき一言、言ふものなり」
[訳] 物の道理がわからないと見える者でも、(ときには)よい一言を言うものだ。
注意
「心無し」を「うらなし」と読むと全く違う語になる。
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