学研全訳古語辞典 |
さま・す 【冷ます】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
(熱いものを)冷やす。
出典源氏物語 鈴虫
「かの炎をもさましはべりにしがな」
[訳] あの地獄の業火の炎をも冷やしてしまいたいものですなあ。
②
(高まった気持ち・興味などを)しずめる。
出典源氏物語 椎本
「思ひ慰まむ方ありてこそ、悲しさをもさますものなめれ」
[訳] 心が慰められるようなことがあってこそ、悲しさをもしずめるものであるようだ。
さま・す 【覚ます・醒ます】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
目覚めさせる。
出典古今集 秋上
「山里は秋こそことにわびしけれ鹿(しか)の鳴く音(ね)に目をさましつつ」
[訳] ⇒やまざとはあきこそことに…。
②
迷いや物思いから覚めるようにする。悲しみを薄れさせる。
出典源氏物語 椎本
「悲しさをもさますものなめれ」
[訳] (死別の)悲しさを薄れさせるもののようだ。
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