学研全訳古語辞典 |
さん-・ず 【参ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
参上する。参る。▽「行く」の謙譲語。
出典枕草子 故殿の御服のころ
「さんぜむとするを、今日明日の御物忌みにてなむ」
[訳] 参上しようと思うが、今日明日は(帝(みかど)の)物忌みで(参上できない)。
さん-・ず 【散ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
散る。散ってなくなる。
出典平家物語 五・富士川
「祈禱(きたう)を求むといへども、霧露(ぶろ)さんじがたし」
[訳] 祈禱(きとう)をさせたけれども、もやもやした病苦は散ってなくなりにくい。
②
逃げ失(う)せる。退散する。
出典今昔物語集 二四・六
「逃げて車に乗りてさんじて」
[訳] 逃げるように車に乗って退散して。
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
散らす。ばらまく。
②
恨み・憤り・不安・不審などを晴らす。
出典今昔物語集 一二・三二
「心の疑ふ所をさんず」
[訳] 不審に思うところを晴らす。
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