学研全訳古語辞典 |
でう 【条】
①
都城制で、都の左京・右京を、それぞれ南北に九つに区画したもの。北から南へ一条・二条…と呼ぶ。
②
(…の)くだり。(…の)件。
出典保元物語 中
「無音(ぶいん)に乱入のでう甚だいはれなし」
[訳] あいさつなしに乱入した件はたいそう不当である。
③
…によって。ゆえに。
出典平家物語 七・忠度都落
「その沙汰(さた)なく候ふでう、ただ一身(いつしん)の嘆きと存じ候ふ」
[訳] その知らせがございませんゆえに、ただ我が身の嘆きと思うことでございます。
参考
③は、②から変化した接続助詞的な用法で、中世以後の候文(そうろうぶん)に多く用いられる。
でうのページへのリンク |