学研全訳古語辞典 |
で-は
分類連語
…では。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「この御気色(ごきそく)では、それも詮(せん)なし」
[訳] こんなお気持ちでは、それ(=忠義立て)も無益だ。
なりたち
格助詞「で」+係助詞「は」
で-は
分類連語
〔多く下に打消の語や、否定的な意味の表現を伴って〕
①
…なくては。…ずには。
出典竹取物語 仏の御石の鉢
「この女見では、世にあるまじき心地(ここち)のしければ」
[訳] (石作りの皇子は)この女(=かぐや姫)と結婚しないでは、この世に生きていられそうもない気持ちがしたので。
②
〔「体言」+「なら」+「では」の形で〕…以外には。
出典徒然草 一一
「懸け樋(ひ)の雫(しづく)ならでは、つゆおとなふものなし」
[訳] 懸け樋の雫以外には、まったく音を立てるものがなく、訪れる人もいない。
なりたち
打消の接続助詞「で」+係助詞「は」
出羽
分類地名
旧国名。東山道八か国の一つ。今の山形県と秋田県にまたがる。古くは越後(えちご)の一部であったが、和銅五年(七一二)に分かれて一国となり、下って明治一年(一八六八)には、さらに羽前(うぜん)(山形県)と羽後(うご)(秋田県)の二国に分割された。羽州(うしゆう)。
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