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古語辞典


    



学研全訳古語辞典

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格助詞

《接続》体言、また体言相当の語句に付く。


〔場所・時〕…で。…において。…の時。


出典平家物語 九・木曾最期


「所々で討たれんより」


[訳] 別々の場所で討たれるより。


〔状態・事情〕…で。…でいて。…のままで。


出典今昔物語集 二八・三一


「盗人なる心で、否(え)、主(ぬし)、かく口浄(きよ)くな言ひそ」


[訳] 盗人根性でいて、よく、おぬし、そんなきれいごとを言わないでくれ。


〔手段・方法・道具・材料〕…によって。…で。


出典平家物語 四・競


「鋸(のこぎり)で頸(くび)切らん」


[訳] 鋸で首を切り落とそう。


〔原因・動機・理由・根拠〕…によって。…だから。…ために。


出典平家物語 九・木曾最期


「臆病でこそさは思(おぼ)しめし候へ」


[訳] 気おくれのために、そのようにお思いになるのでございます。


参考

格助詞「にて」が変化したもの。中古末期以降の用法。



接続助詞

《接続》活用語の未然形に付く。〔打消の接続〕…ないで。…ずに。


出典枕草子 中納言まゐり給ひて


「さては、扇のにはあらで、くらげのななり」


[訳] それでは、扇の(骨)ではなくて、くらげの(骨)であるようだ。


参考

中古以降に見られる語で、語源については、「にて」(打消の助動詞「ず」の古い連用形「に」+接続助詞「て」)の変化したものとも、「ずて」(打消の助動詞「ず」の連用形+接続助詞「て」)の変化したものともいわれる。








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