学研全訳古語辞典 |
とま・る
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
(一)
【止まる・留まる】
①
停止する。立ち止まる。
出典万葉集 四一六〇
「ゆく水のとまらぬごとく」
[訳] 流れ行く水が停止しないように。
②
あとに残る。生き残る。
出典更級日記 子忍びの森
「とまる男の、送りして帰るに」
[訳] あとに残る下僕で、(父を)送ってから戻る者に。
③
消えずに残る。(目に)とまる。
出典紫式部日記 消息文
「必ずをかしき一ふしの目にとまる、詠みそへ侍(はべ)り」
[訳] 必ず興味深い一節で目にとまるのが詠みそえてあります。
④
とりやめになる。中止になる。
出典枕草子 くちをしきもの
「営み、いつしかと待つことの、障りあり、にはかにとまりぬる」
[訳] 準備をして、早くその日にならないかと待っていることが、支障ができて急に中止になったこと。
(二)
【泊まる】
①
停泊する。
出典土佐日記 一二・二七
「こよひ浦戸にとまる」
[訳] 今夜は浦戸に停泊する。
②
宿をとる。宿泊する。
出典宇治拾遺 一・三
「雨風はしたなくて、帰るに及ばで、山の中に、心にもあらずとまりぬ」
[訳] 雨風が激しくて、帰ることができず、山の中に、思いがけなく泊まってしまった。
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