学研全訳古語辞典 |
な-・らし
分類連語
①
(たしかに)…であるらしい。
出典万葉集 三九二五
「新(あら)たしき年のはじめに豊(とよ)の年しるすとならし雪の降れるは」
[訳] 新しい年の初めに豊作の前兆を表すということであるらしい、雪が降っているのは。
②
…であるよ。…だなあ。
出典新古今集 仮名序
「昔の人の心をも表し、行きて見ぬ境のほかの事をも知るは、ただこの道ならし」
[訳] 昔の人の心をも表し、行って見(ることのでき)ない世界の外の事をも、知る(ことのできる)のは、ただこの(和歌の)道であるよ。
参考
②の用法は、中古以降、「らし」の意味が薄れ、断定の意味を婉曲(えんきよく)的・詠嘆的に述べたもの。
なりたち
断定の助動詞「なり」の連体形+推定の助動詞「らし」からなる、「なるらし」の変化した語。
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