学研全訳古語辞典 |
なん-でふ 【何でふ】
なにほどの。どういう。どんな。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「なんでふ心地すれば、かく、物を思ひたるさまにて月を見給(たま)ふぞ」
[訳] どういう気持ちがするので、こんなに物思いをしているようなようすで月をごらんになるのか。
どうして(…か、いや、…ない)。▽反語表現に用いる。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「なんでふさることか、し侍(はべ)らむ」
[訳] どうしてそのようなこと(結婚すること)をいたしましょうか、いや、結婚などいたしません。
何を言うのか。とんでもない。▽相手の言い分を否定する語。
出典平家物語 一・祇王
「なんでふ、さやうのあそび者は人の召しにしたがうてこそ参れ」
[訳] とんでもない、そのような遊女は、人のお呼びに従って参上するものだ。
参考
「なにといふ」の変化した語。「なでふ」とも。
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