学研全訳古語辞典 |
ぬ-ばかり
分類連語
…ないだけ。
出典源氏物語 藤裏葉
「をり過ごしたまはぬばかりを、いかが思ひけむ」
[訳] (便りを送る)機会をおのがしになられないだけ(の点)を、(受け取った藤典侍(とうないしのすけ)は)どのように思ったであろうか。
なりたち
打消の助動詞「ず」の連体形+副助詞「ばかり」
ぬ-ばかり
分類連語
①
…てしまいそうなほどに。
出典源氏物語 柏木
「かきくらし思ひ乱れて、枕も浮きぬばかり、人やりならず流し添へつつ」
[訳] 悲しみにくれて心も乱れて、涙に枕も浮いてしまいそうなほどに、だれのせいにしようもなくまた泣いては。
②
…ただけ。
出典源氏物語 蓬生
「年を経へて待つしるしなきわが宿を花のたよりに過ぎぬばかりか」
[訳] 年がたって、お待ちするかいもなかった私の家を、藤の花をご覧になるついでに立ち寄っただけなのですね。
なりたち
完了の助動詞「ぬ」の終止形+副助詞「ばかり」
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