学研全訳古語辞典 |
ひとかひぶねは…
分類歌謡
「人買ひ舟は沖を漕(こ)ぐとても売らるる身をただ静かに漕げよ船頭殿」
出典閑吟集
[訳] 人買い舟は沖を漕いでいる。いずれにしても売られていく身なのだから、せめて静かに漕いでおくれ、船頭さん。
鑑賞
売られていく者の立場に立って、つらい運命にあらがうことのできないあきらめの気持ちを詠んだ歌。「人買ひ舟」は、人買いが買った女や子供を乗せた舟。「とても」は「とてもかくても」の略で、どうせの意。「るる」は受身の助動詞「る」の連体形。
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