学研全訳古語辞典 |
まは・る 【回る・廻る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
回転する。
出典徒然草 五一
「とかく直しけれども、つひにまはらで」
[訳] (水車を)あれこれと修理したけれど、とうとう回転しないで。
②
周りをぐるりと動く。
出典平治物語 下
「手を合はせ念仏申されければ、難波(なんば)うしろへまはるとぞ見えし」
[訳] 手を合わせ念仏を申されると、難波は後ろへ回ったように見えた。
③
回り道をする。迂回(うかい)する。
出典平家物語 九・河原合戦
「範頼(のりより)は瀬田よりまはり候ふが、いまだ参り候はず」
[訳] 範頼は瀬田から迂回しましたが、まだ参上しません。
④
めぐり歩く。
出典猿源氏草紙 御伽
「汝(なんぢ)は洛中(らくちゆう)をまはり、隠れもなき鰯売(いわしう)りなれば」
[訳] お前は京都中を回り歩いて、知らぬ者のないいわし売りなので。
⑤
利益を生む。もうけになる。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「小判貸しの利は何ほどにまはるものぞ」
[訳] 小判貸しの利息はどれほど利益を生むものか。
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