学研全訳古語辞典 |
られ-・たま・ふ 【られ給ふ】
分類連語
〔上一段・上二段・下一段・下二段・カ変・サ変の各動詞型活用の語の未然形に付いて〕
①
〔「られ」が受身の意の場合〕…(ら)れなさる。
出典源氏物語 須磨
「それにつけても、世の中にのみめでられたまへば」
[訳] そのことにつけても(源氏は)世間から称賛されなさるばかりなので。
②
〔「られ」が自発の意の場合〕…自然とお…になる。
出典源氏物語 若菜下
「春秋(はるあき)の行幸(ぎやうがう)になむ、昔思ひ出いでられたまふこともまじりける」
[訳] (出家をした帝(みかど)は)春と秋の行幸の折りに、自然と昔の(出家前の)ことをお思い出しになることも時々はあるのだった。
③
〔「られ」が可能の意の場合〕…することがおできになる。
出典源氏物語 空蟬
「しばしうち休み給(たま)へど、寝られたまはず」
[訳] 少しの間横になりなさるが、眠ることがおできにならない。
なりたち
受身・尊敬・自発・可能の助動詞「らる」の連用形+尊敬の動詞「給ふ」
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