学研全訳古語辞典 |
をさま・る
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
(一)
【治まる・修まる】
①
(世の中が)平穏になる。
出典平家物語 七・主上都落
「をさまれる世だにもかくのごとし」
[訳] 平穏になった世の中でさえもこのようである。
②
(乱れた気持ちや苦痛などが)しずまる。落ち着く。
出典源氏物語 夕霧
「ある限り、心もをさまらず、物覚えぬ程なり」
[訳] すべての女房は、心も落ち着かず、物も考えられないありさまである。
(二)
【収まる・納まる】
①
消える。なくなる。弱くなる。
出典源氏物語 帚木
「月は有り明けにて、光をさまれるものから、影さやかに見えて」
[訳] 月は有り明けの月で、光は弱くなっているとはいうものの、月の形ははっきりと見えて。
②
きちんと入る。かたづく。決着する。
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