学研全訳古語辞典 |
をさ・む
{語幹〈をさ〉}
(一)
【治む・修む】
①
統治する。治める。平定する。
出典徒然草 一二二
「今の世には、これをもちて世ををさむること、やうやく愚かなるに似たり」
[訳] 今の世では、これ(文学や音楽)で世の中を治めることは、しだいにおろかなことと考えるようになった。
②
正しくする。落ち着かせる。
出典徒然草 一一〇
「身ををさめ、国を保たん道も」
[訳] わが身を正しくし、国政を持ちこたえるような道も。
③
(病気などを)なおす。治療する。
出典日本書紀 神代上
「その病をおさむる方(みち)を定む」
[訳] その病を治療する方法を定める。
(二)
【収む・納む】
①
しまう。納める。収納する。貯蔵する。
出典源氏物語 鈴虫
「はかばかしきさまのは、みな、かの三条の宮の御蔵(みくら)にをさめさせ給(たま)ふ」
[訳] 価値のあるようなものは、みな、あの三条の宮のお蔵にお納めさせなさる。
②
葬る。埋葬する。
出典源氏物語 桐壺
「限りあれば、例の作法にをさめ奉るを」
[訳] (ものには)限度があるので、決まったやり方で(桐壺更衣(きりつぼのこうい)の遺体を)埋葬し申し上げるのを。
をさむのページへのリンク |