学研全訳古語辞典 |
んず
活用{○/○/んず/んずる/んずれ/○}
「むず」に同じ。◆中古の中ごろから助動詞「むず」の「む」を「ん」と発音したことから「んず」と表記されるようになったもの。⇒むず
参考
(1)平安時代より用いられ始めた語。鎌倉時代以後、転じて「うず」とも用いられた。(2)奈良時代には同意の語として「むとす」が用いられており、「んず」の語源として考えられる。しかし、「むとす」↓「んず」の変化はあり得ないとして、「む」の連用形「み」(他の活用形から推測された語形)にサ変動詞「す」が付いた「みす」の転とする説もある。(3)『枕草子』に「『その事させむとす』『言わむとす』『何とせむとす』といふ『と』文字を失ひて、ただ『言はむずる』『里へ出でむずる』など言へば、やがていと悪(わろ)し〈ふと心おとりとかするものは〉」とあり、平安時代には「むとす」と比べて悪い言い方とされていたことが分かる。
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