学研全訳古語辞典 |
よ-に-・ふ 【世に経】
分類連語
①
この世で月日を送る。生きながらえる。
出典蜻蛉日記 上
「とにもかくにもつかで、よにふる人ありけり」
[訳] ああもこうも、どっちつかずで(態度が)決まらないで月日を送る人がいた。
②
男女の情がわかるようになる。色気づく。
出典後撰集 恋五
「なびく方ありけるものをなよ竹の(=枕詞(まくらことば))よにへぬものと思ひけるかな」
[訳] 心を寄せる人があったのに男女の情がわからないものと思っていたよ。
③
俗人として世を過ごす。
出典源氏物語 若菜上
「よにへし時だに、人に似ぬ心ばへにより」
[訳] 俗人として世を過ごしていたときさえも、他人とはちがった性格で。
なりたち
名詞「よ」+格助詞「に」+動詞「ふ(経)」
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