学研全訳古語辞典 |
つか-まつ・る 【仕る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
お仕え申し上げる。▽「仕ふ」の謙譲語。
出典大鏡 道長下
「堀河の左大臣殿は、御社(みやしろ)までつかまつらせ給(たま)ひて」
[訳] 堀河の左大臣殿は、神社まで(中宮様にお供として)お仕え申し上げなさって。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
してさし上げる。し申し上げる。▽「す」「行ふ」「作る」などの謙譲語。
出典今昔物語集 二五・一二
「さらば今宵(こよひ)は御宿直(とのゐ)つかまつりて、朝(つとめて)見給(たま)へむ」
[訳] それでは今夜は宿直をし申し上げて、明日の朝拝見いたしましょう。
②
いたす。します。▽「す」「行ふ」の丁寧語。
出典徒然草 一〇九
「過ちはやすき所になりて、必ずつかまつることに候ふ」
[訳] 失敗は、易しい所になってから、必ずいたすものでございます。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
〔漢語サ変動詞の語幹に付いて〕
①
…申し上げる。▽謙譲の意を表す。
出典平家物語 一〇・千手前
「心の及び候はんほどは、奉公つかまつり候ふべし」
[訳] 私の思いが及びますうちはご奉公申し上げましょう。
②
…いたす。▽丁寧の意を表す。
出典大鏡 序
「太政大臣(だいじやうだいじん)にて元服つかまつりし時」
[訳] 太政大臣邸で元服いたしました時。
参考
「つかへまつる」のウ音便「つかうまつる」の変化した語。
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