学研全訳古語辞典 |
にょう-ばう 【女房】
①
宮中や院の御所、天皇や后(きさき)に仕え、一室(=局(つぼね))を与えられていた女官。
出典枕草子 うらやましげなるもの
「よき人の御前(おまへ)ににょうばういとあまたさぶらふに」
[訳] りっぱな方の御前に、女房がとてもたくさんそばにお仕えしているときに。
②
貴族の家や武家に仕える女性。
出典枕草子 正月一日は
「家の御達(ごたち)・にょうばうなどのうかがふを、打たれじと用意して」
[訳] 家の年功を積んだ女房や若い女房などが、(腰を打つ機会を)ねらうのを、打たれまいと用心して。
③
妻。
出典諸国ばなし 浮世・西鶴
「にょうばうの兄、半井清庵(なからゐせいあん)と申して、神田の明神(みやうじん)の横町に、薬師(くすし)あり」
[訳] 妻の兄に半井清庵といいまして、神田明神の横町に、医者(をやっているの)がいる。
④
女性。婦人。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「きれいなるにょうばうをつかふことがすきぢゃ」
[訳] (ご主人は)きれいな女性を使うのが好きだ。
にょうぼう 【女房】
⇒にょうばう
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