学研全訳古語辞典 |
ぞん-・ず 【存ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
そのままにある。存在する。生き長らえる。生存する。「ぞんす」とも。
出典徒然草 九三
「はからざるに牛は死し、はからざるに主(ぬし)はぞんぜり」
[訳] 思いがけず牛は死に、思いがけず持ち主は生き長らえている。
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
(心を)持つ。有する。
出典平家物語 三・医師問答
「心に忠をぞんじ、才芸すぐれて」
[訳] 心の中に忠(の気持ち)を持ち、才芸がすぐれていて。
②
存じます。思います。▽「考ふ」「思ふ」の謙譲語。
出典平家物語 七・忠度都落
「ただ一身の嘆きとぞんじ候ふ」
[訳] ただ我が身の嘆きと思うことでございます。
③
存じます。承知しております。▽「知る」の謙譲語。
出典鐘の音 狂言
「さて某(それがし)がぞんじたる寺々は大方(おほかた)参ったが」
[訳] さて私が承知しております寺々はだいたい参ったけれど。
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