学研全訳古語辞典 |
ひき-た・つ 【引き立つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
逃げ腰になる。浮き足立つ。
出典太平記 六
「大勢のひきたてたる事なれば」
[訳] 大勢が浮き足立ったことであるので。
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
①
引いて立たせる。引き起こす。
出典源氏物語 明石
「御手を取りてひきたて給(たま)ふ」
[訳] (夢で故桐壺(きりつぼ)帝は源氏の)御手をとって引き起こしなさる。
②
引いて閉める。
出典源氏物語 東屋
「こなたの障子(さうじ)はひきたて給(たま)ひて」
[訳] こちらの障子はお閉めになって。◇「引き閉つ」とも書く。
③
取り立てる。
出典古今著聞集 二九
「ひきたつる人もなかりけるに」
[訳] 取り立てる人もなかったところに。
④
引いて連れて行く。引っ立てる。
出典源氏物語 夕霧
「やがてこの人をひきたて、推し量りに入(い)り給(たま)ふ」
[訳] (夕霧は)そのままこの人(=少将の君)を引っ立てて、当て推量に(奥へ)お入りになる。
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