学研全訳古語辞典 |
もて-はや・す 【もて栄す・もて映す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
引き立たせる。きわだって美しく見せる。
出典源氏物語 東屋
「川の気色(けしき)も山の色も、もてはやしたる造りざまを」
[訳] 川の景色も山の色も、きわだって美しく見せてある(家の)造り方を。
②
ほめたてる。ほめそやす。
出典源氏物語 幻
「わが宿は花もてはやす人もなし」
[訳] 私の家には、花をほめたてる者もいない。
③
大切に待遇する。歓待する。よろこび迎える。
出典大鏡 道長上
「饗応(きやうおう)し、もてはやしきこえさせ給(たま)ひつる興もさめて」
[訳] 機嫌をとり、歓待し申し上げなさった面白さも消えてしまって。◆「もて」は接頭語。
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