学研全訳古語辞典 |
お-むろ 【御室】
①
仁和寺(にんなじ)の別名。
出典徒然草 五四
「おむろにいみじき児(ちご)のありけるを」
[訳] 仁和寺にとてもかわいらしい稚児(ちご)がいたので。◇宇多(うだ)天皇が、退位後に仁和寺に入寺し、その居室が「御室」と呼ばれたことから。
②
仁和寺の住職。▽代々、法親王が継承した。
み-むろ 【御室】
①
貴人のお住まい。僧房や庵室(あんしつ)にもいう。◇「室(むろ)」の尊敬語。
出典伊勢物語 八三
「強(し)ひてみむろにまうでて拝み奉るに」
[訳] 無理にお住まいに参上してお目にかかったところ。
②
「みもろ」に同じ。
出典神楽歌 榊
「誰(た)が世にか神のみむろと斎(いは)ひそめけむ」
[訳] いったいだれの世に、神の宿る所としてまつりはじめたのだろうか。◆「み」は接頭語。
み-もろ 【御諸・三諸・御室】
神が降臨して宿る神聖な所。磐座(いわくら)(=神の御座所)のある山や、森・岩窟(がんくつ)など。特に、「三輪山(みわやま)」にいうこともある。また、神座や神社。「みむろ」とも。
出典万葉集 四二〇
「わが宿にみもろを立てて」
[訳] わが家に祭壇を設けて。◆「み」は接頭語。
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