学研全訳古語辞典 |
きたな・し 【汚し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
よごれている。けがれている。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「きたなき所に、いかでか久しくおはせむ」
[訳] (このような)けがれたところ(=この世)に、どうして長い間いらっしゃることがあろうか、いや、ない。
②
見苦しい。
出典堤中納言 虫めづる姫君
「歯黒め、『さらにうるさし、きたなし』とて、つけ給(たま)はず」
[訳] お歯黒は、「いっそうわずらわしい、見苦しい」と言って、おつけにならない。
③
腹黒い。正しくない。
出典後撰集 恋五
「人はかる心の隈(くま)はきたなくて」
[訳] 人をだます心の奥は腹黒くて。
④
卑劣だ。ひきょうだ。
出典平家物語 九・一二之懸
「きたない殿ばらの振る舞ひやうかな」
[訳] ひきょうな殿方のやり方だなあ。◇「きたない」はイ音便。
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