学研全訳古語辞典 |
さも-さうず 【然も候ず】
分類連語
①
そうではありません。とんでもないことです。
出典平家物語 二・西光被斬
「ゐなほりあざわらって申しけるは、『さもさうず。入道殿こそ過分の事をば宣(のたま)へ』」
[訳] 居直って大笑いして申すには、「とんでもないことです。入道殿(=平清盛)こそ過分なことをおっしゃる」。
②
それもそうでしょう。
出典義経記 七
「『喜ばせんがためにてさうらふぞ』と言ひければ、『それはさもさうず』と申す」
[訳] 「喜ばせようとしたためでございます」と(弁慶が)言うと、「それはそうでしょう」と(権守(ごんのかみ)が)申します。
なりたち
①は副詞「さも」+動詞「さうらふ」の未然形+打消の助動詞「ず」からなる「さもさうらはず」の変化した形。②は副詞「さも」+動詞「さうらふ」の未然形+推量の助動詞「んず」からなる「さもさうらはんず」の変化した形。
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