学研全訳古語辞典 |
さる-もの-に-て 【然るものにて】
分類連語
①
言うまでもなく。
出典源氏物語 桐壺
「わざとの御学問はさるものにて、琴・笛の音にも雲井を響かし」
[訳] 本格的なご学問は言うまでもなく、琴・笛の音にも宮中を驚かし。
②
それはもっともなこととして。
出典徒然草 一九
「『もののあはれは秋こそまされ』と、人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、今一きは心も浮き立つものは、春の気色(けしき)にこそあめれ」
[訳] 「しみじみとした趣は秋がすぐれている」と、だれもが言うようだけれど、それももっともなこととして、さらにいちだんと心がうきうきするものは、春の景色であるようだ。
なりたち
連体詞「さる」+名詞「もの」+断定の助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」
然るものにてのページへのリンク |