学研全訳古語辞典 |
し・る 【知る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
(一)
①
わかる。理解する。わきまえる。知る。
出典新古今集 春上
「山深み春ともしらぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水(たまみづ)」
[訳] ⇒やまふかみ…。
②
かかわる。つき合う。親しくする。
出典土佐日記 一二・二一
「かれこれ、しるしらぬ、送りす」
[訳] だれやかれや、親しくしている人も親しくしていない人も、私たちの見送りをする。
③
世話をする。面倒を見る。
出典源氏物語 柏木
「しる人もなくて漂はむことの、あはれに」
[訳] 面倒を見る人もなくて寄るべなく暮らすことが、かわいそうで。
④
〔打消の語を伴って〕気にする。かまう。
出典宇治拾遺 三・六
「それもしらず、ただ逃げ出(い)でたるをことにして、向かひのつらに立てり」
[訳] それもかまわず、自分だけ逃げ出したのをよいこととして、道の向こう側に立っている。
(二)
①
治める。統治する。
出典源氏物語 桐壺
「つひに世の中をしり給(たま)ふべき右の大臣(おとど)の御勢ひは」
[訳] 結局は世を治めなさる右大臣のご勢力は。◇「領る」「治る」とも書く。
②
所有する。領有する。
出典徒然草 二三六
「しだのなにがしとかや、しる所なれば」
[訳] しだの某(なにがし)とかいう人の領有しているところなので。◇「領る」「治る」とも書く。
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
知られる。
出典拾遺集 恋一
「恋すてふわが名はまだき立ちにけり人しれずこそ思ひそめしか」
[訳] ⇒こひすてふ…。
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