学研全訳古語辞典 |
お・く 【置く】
活用{か/き/く/く/け/け}
(霜や露が)降りる。
出典徒然草 一九
「霜いと白うおける朝(あした)」
[訳] 霜がたいそう白く降りている朝。
活用{か/き/く/く/け/け}
①
(その位置に)置く。据える。設ける。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「古今の草子を御前(おまへ)におかせ給(たま)ひて」
[訳] (中宮は)『古今和歌集』の本をお手元にお置きなさって。
②
そのままにする。残しておく。
出典徒然草 二二四
「少しの地をもいたづらにおかんことは、益(やく)なき事なり」
[訳] 少しの土地もむだに残しておくようなことは、無益なことである。
③
除く。さしおく。
出典万葉集 八九二
「あれをおきて人はあらじと誇(ほこ)ろへど」
[訳] ⇒かぜまじり…。
④
間隔をおく。間隔をあける。隔てる。
出典万葉集 三七八五
「ほととぎす間(あひだ)しましおけ」
[訳] ほととぎすよ、しばらく間をおいてくれ。
⑤
〔「心おく」の形で〕心に隔てをおく。気兼ねする。
出典徒然草 三七
「朝夕隔てなく馴(な)れたる人の、ともある時、我に心おき」
[訳] 日常遠慮なく親しくしている人が、ちょっとした時、私に気兼ねして。
活用{か/き/く/く/け/け}
〔動詞の連用形、または連用形に助詞「て」の接続したものに付いて〕あらかじめ…する。…ておく。
出典徒然草 九六
「見知りておくべし」
[訳] あらかじめ見知っておくとよい。
置くのページへのリンク |