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あとの意味

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学研全訳古語辞典

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あと 【後】

名詞

後ろ。背後。


出典落窪物語 一


「少将の直衣(なほし)の、あとの方より出(い)でたるを、ふと見つけて」


[訳] (几帳(きちよう)の陰に隠れている)少将の直衣(のうし)が、(几帳の)後ろの方から出ているのを、(北の方は)とっさに見つけて。


(その時より)あと。のち。以後。


出典徒然草 三二


「あとまで見る人ありとは、いかでか知らん」


[訳] (客の帰った)あとまで、(自分を)見る人がいるとは、どうして知るだろうか、いや、知るはずはない。


死後。


出典徒然草 一四〇


「『我こそ得め』などいふ者どもありて、あとにあらそひたる、様(さま)あし」


[訳] 「(遺産を)自分こそ手に入れよう」などと言う者たちがいて、死後に争っているのは、みっともない。[反対語]先(さき)。



あと 【跡】

名詞

足もと。足のあたり。足。


出典万葉集 八九二


「父母(ちちはは)は枕(まくら)のかたに妻子(めご)どもはあとのかたに囲(かく)みゐて」


[訳] ⇒かぜまじり…。


足跡。


出典徒然草 一三七


「雪にはおり立ちてあとつけなど、よろづのものよそながら見ることなし」


[訳] (田舎者は)雪の上には下りて立って足跡をつけるなど、すべてについてそれとなく見ることがない。


(去って行った)方向。行方。


出典古今集 離別


「雪のまにまにあとはたづねむ」


[訳] 雪の中を行きながら(あなたの)行方を尋ねよう。


痕跡(こんせき)。形跡。


出典奥の細道 平泉


「夏草や兵(つはもの)どもが夢のあと―芭蕉」


[訳] ⇒なつくさや…。


筆跡。


出典源氏物語 橋姫


「古めきたるかびくささながら、あとは消えず」


[訳] (紙は)古めかしくかびくささがあるが、筆の跡は消えないでいて。


(定まった)形式。様式。先例。


出典源氏物語 帚木


「臨時のもてあそび物の、その物とあとも定まらぬは」


[訳] その場限りの慰みもので、そのものはこうしたものだという様式も定まらないのは。


家のあとめ。家督。


出典平家物語 一・鱸


「清盛(きよもり)嫡男たるによって、そのあとをつぐ」


[訳] 清盛は正式の長男であることによって、その(死んだ父忠盛の)家督を継ぐ。








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