学研全訳古語辞典 |
あらは・なり 【露なり・顕なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
まる見えだ。むき出しだ。
出典源氏物語 若紫
「少し立ちいでつつ見渡し給(たま)へば、高き所にて、ここかしこ、僧坊どもあらはに見下ろさるる」
[訳] 少し外へ出ていって、あたりを見わたしなさると、高い場所なので、あちこちにある、僧の住居がまる見えに見下ろされる。
②
あけっぴろげだ。おおっぴらだ。無遠慮だ。慎みがない。
出典枕草子 御前にて人々とも
「あれは誰(た)そ。あらはなり」
[訳] あれはだれだ。慎みがない。
③
明白だ。はっきりしている。
出典平家物語 六・祇園女御
「運命の末になることあらはなりしかば」
[訳] 運命が終わりになることがはっきりしていたので。
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