学研全訳古語辞典 |
あん-・ず 【按ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
指先で押さえる。
出典太平記 二一
「右の御手には御剣をあんじて」
[訳] 右のお手ではお刀を押さえて。◇特に、刀の柄(つか)に手をかける意に用いる。
②
(弦楽器の)弦を指で押さえて音を出す。
出典源氏物語 若菜下
「揺(ゆ)しあんずるいとまも、心あわたたしければ」
[訳] 弦を手でゆすぶり押さえて琴を弾くゆとりも、気ぜわしいので。◇琴の演奏法。
あん-・ず 【案ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
あれこれと考える。工夫する。
出典徒然草 一一六
「深くあんじ、才覚を現さん」
[訳] 深く考え、学識を見せよう。
②
心配する。思い煩う。
出典平家物語 五・福原院宣
「思はじ事なうあんじつづけて」
[訳] 思わないことはなく(=考えられるすべてを)心配しつづけて。
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