学研全訳古語辞典 |
うち-しの・ぶ 【打ち忍ぶ】
活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ}
①
人目を避ける。
出典源氏物語 葵
「ここかしこにうちしのびて通ひたまふ所々は」
[訳] あちらこちらに(源氏が)人目を避けてお通いになられる女君たちは。
②
たえしのぶ。こらえる。我慢する。
出典浜松中納言 二
「うちしのびつつ、涙の落ちたまふよりほかのことなく」
[訳] こらえながらも、涙がお落ちになるよりほかになく。◆「うち」は接頭語。
うち-しの・ぶ 【打ち慕ぶ・打ち偲ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
過去のことや離れている人のことなどを思い慕う。思い起こす。
出典源氏物語 柏木
「かく、人にも少しうちしのばれぬべきほどにて」
[訳] このように、人から少しでも思い慕われるに違いない間に(命を絶って)。◆「うち」は接頭語。上代は「うちしのふ」と清音。
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