学研全訳古語辞典 |
うたたねに…
分類和歌
「うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼み初(そ)めてき」
出典古今集 恋二・小野小町(をののこまち)
[訳] うたたねの夢に恋しい人を見てからは、あてにならないと言われる夢というものをも、頼りにし始めてしまった。
鑑賞
恋しい人に会えないために夢をもあてにするようになったのである。「てふ」は「といふ」の変化したもの。「見てし」「そめてき」の、「て」は完了の助動詞「つ」の連用形であり、「し」「き」は過去の助動詞「き」のそれぞれ連体形・終止形である。「てし」「てき」の形で過去にすでに完了していることを表し、「見てし」「そめてき」は照応している。
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