学研全訳古語辞典 |
うち-つけ・なり
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
あっという間だ。
出典土佐日記 二・五
「うちつけに、海は鏡の面(おもて)のごとなりぬれば」
[訳] あっという間に、海は鏡の表面のように静かになったので。
②
軽率だ。無分別だ。
出典源氏物語 末摘花
「うちつけにやとおぼさむと、心恥づかしくてやすらひ給(たま)ふ」
[訳] (源氏は)軽率だとお思いになるのではと、気が引けてためらっていらっしゃる。
③
ぶしつけだ。露骨だ。
出典源氏物語 玉鬘
「いと憎し、と覚ゆるも、うちつけなりや」
[訳] (三条がすぐ来ないのを)とても憎らしい、と(右近が)思われるのも、ぶしつけだよ。
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