学研全訳古語辞典 |
おほ-やけ 【公】
①
朝廷。政府。
出典更級日記 竹芝寺
「ろんなくもとの国にこそ行くらめと、おほやけより使ひ下りて追ふに」
[訳] もちろん故郷の国に行っているのだろうと、朝廷から使いが下り(この男を)追いかけるけれども。
②
天皇。▽皇后や中宮を含むときもある。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「いみじく静かに、おほやけに御文(おほんふみ)奉り給(たま)ふ」
[訳] (かぐや姫は)たいそう静かに、天皇にお手紙を差し上げなさる。
③
公的なこと。社会的なこと。表向き。
出典徒然草 一七五
「おほやけ・私(わたくし)の大事を欠きて、煩(わづら)ひとなる」
[訳] 公・私ともに大切な事をおろそかにして、面倒なことになる。[反対語] 私(わたくし)。
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