学研全訳古語辞典 |
かまへ-て 【構へて】
①
慎重に。気をつけて。
出典平家物語 二・大納言流罪
「かまへてよくよく宮仕へ、御心に違(たが)ふな」
[訳] 気をつけて念を入れて宮仕えし、(成親卿(なりちかきよう)の)お心に背くな。
②
〔禁止表現を伴って〕決して。
出典宇治拾遺 三・二〇
「かやうのものをば、かまへて調(てう)ずまじきものなり」
[訳] このようなもの(=きつね)を、決してこらしめてはいけないのである。
③
〔意志・命令の表現を伴って〕きっと。必ず。なんとかして。
出典今昔物語集 二五・一二
「この馬を見て、極めて欲しく思ひければ、『かまへて盗まむ』と思ひて」
[訳] この馬を見てたいへん欲しく思ったので「なんとかして盗もう」と思って。
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