学研全訳古語辞典 |
くつろ・ぐ 【寛ぐ】
活用{が/ぎ/ぐ/ぐ/げ/げ}
①
すきまができる。ゆるむ。
出典源氏物語 若菜上
「かうぶりの額、少しくつろぎたり」
[訳] 冠の額のあたりが少しゆるんでいる。
②
余裕・余地がある。
出典源氏物語 澪標
「数定まりてくつろぐ所もなかりければ」
[訳] (大臣の)数が決まっていて、(入る)余裕がある所もなかったので。
③
(気分が)ゆったりする。のびのびする。休息する。
出典古今著聞集 四四一
「心うちくつろぐことなし」
[訳] 心のゆったりすることがない。
活用{が/ぎ/ぐ/ぐ/げ/げ}
余地を作る。
出典枕草子 説経の講師は
「少しうち身じろぎくつろい、高座のもと近き柱もとに据ゑつれば」
[訳] 少し体を動かし、(入る)余地を作り、講師の席の近くの柱の下に座らせると。◇「くつろい」はイ音便。
活用{げ/げ/ぐ/ぐる/ぐれ/げよ}
広める。ゆるめる。
出典平家物語 一一・一門大路渡
「装束もくつろげ給(たま)はず」
[訳] 着物もおゆるめにならず。
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