学研全訳古語辞典 |
こ・ゆ 【肥ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
①
太る。肥える。
出典枕草子 うつくしきもの
「いみじう白くこえたる児(ちご)の二つばかりなるが」
[訳] とても色白く肥えた幼児で二歳ぐらいなのが。
②
土地が肥える。
こ・ゆ 【臥ゆ】
活用{い/い/ゆ/ゆる/ゆれ/いよ}
寝ころぶ。横になる。
出典万葉集 四二一四
「玉藻なす靡(なび)きこい伏し」
[訳] 玉藻のように(病気で)横になり伏して。
参考
「こい伏す」「こいまろぶ」など、連用形で複合動詞を作った形で用いられ、単独では用いられない。上代語。
こ・ゆ 【越ゆ・超ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
①
越える。通り過ぎる。
出典古今集 雑下
「風吹けば沖つ白波たつた山夜半(よは)にや君がひとりこゆらむ」
[訳] ⇒かぜふけばおきつしらなみ…。
②
(次の年に)移る。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「遣はしし人は、夜昼待ち給(たま)ふに、年こゆるまで音もせず」
[訳] (玉を取るのに)派遣した家来は、(大納言が)夜も昼も待っておられるのに、年が移るまで連絡もしてこない。
③
(ほかの人を)追い越して地位が上になる。
出典大鏡 道長上
「大臣こえられたることだに」
[訳] 大臣の地位を(道長が伊周(これちか)に)追い越されたことだけでも。
④
(程度が、ほかより)まさる。
出典源氏物語 柏木
「いみじき事を思ひ給へ嘆く心は、さるべき人々にもこえて侍(はべ)れど」
[訳] なみなみでないこと(=柏木(かしわぎ)の逝去)を悲しみ嘆きます心は、嘆いて当然の人々にもまさっておりますが。
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