学研全訳古語辞典 |
たち-かさ・ぬ 【立ち重ぬ】
活用{ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ}
(波や霞(かすみ)などが)立って、幾重にも重ねる。
出典源氏物語 紅葉賀
「恨みてもいふかひぞなきたちかさね引きて返りし波のなごりに」
[訳] 恨んでもそれを言うかいもない。幾重にも重ねて立ち引いては返る波のあとは。
参考
和歌では「裁ち重ぬ」とかけて用いることが多い。
たち-かさ・ぬ 【裁ち重ぬ】
活用{ね/ね/ぬ/ぬる/ぬれ/ねよ}
(布を)裁ち縫って、重ねて着る。
出典源氏物語 宿木
「高麗(こま)・唐土(もろこし)の錦(にしき)・綾(あや)をたちかさねたる目移しには」
[訳] 高麗や唐の錦や綾の布を裁ち縫って重ねて着たのを見慣れた目で他のものを見るときには。
参考
和歌では「立ち重ぬ」とかけて用いることが多い。
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