学研全訳古語辞典 |
たま-かづら 【玉葛・玉蔓】
分類枕詞
つる草のつるが、切れずに長く延びることから、「遠長く」「絶えず」「絶ゆ」に、また、つる草の花・実から、「花」「実」などにかかる。
出典万葉集 四四三
「たまかづらいや遠長く祖(おや)の名も継ぎゆくものと」
[訳] ますます末長く祖先の名を継いでゆくものと。
たま-かづら 【玉葛・玉蔓】
つたなど、つる草の美称。◆「たま」は接頭語。
玉鬘
分類人名
『源氏物語』の作中人物。頭中将(とうのちゆうじよう)と夕顔との娘。幼くして母と死別して九州を流浪するが、成長して京に戻り光源氏(ひかるげんじ)の邸(やしき)の六条院に住む。聡明(そうめい)な美人で求婚者は多かったが、鬚黒(ひげくろ)大将と結婚する。謡曲「玉鬘(葛)」の主人公。
たま-かづら 【玉鬘】
分類枕詞
髪飾りを頭にかけるところから「懸く」に、また、「懸く」と似た音の語「影(かげ)」にかかる。
出典万葉集 二九九四
「たまかづら懸けぬ時無く恋ふれども」
[訳] 心にかけないときはなく、いつも恋しく思っているけれど。
たま-かづら 【玉鬘】
装身具の一種。玉を緒で貫いて作った髪飾り。
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