学研全訳古語辞典 |
としたけて…
分類和歌
「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり佐夜(さや)の中山」
出典新古今集 羇旅・西行(さいぎやう)
[訳] 年老いてから再び越えることができると思っただろうか、いや思いはしなかった。命があったからなんだなあ、こうして佐夜の中山を越えることができたのは。
鑑賞
文治二年(一一八六)、西行六十九歳の時、東国へ向かう途次に詠んだ歌。西行にとって東国下向は、三十歳ごろに次いで二度目であった。それだけに感慨深いものがあったのであろう。「命なりけり」にその思いが強く出ている。「べし」は可能、「や」は反語。
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