学研全訳古語辞典 |
とて-は
分類連語
①
…と言っては。▽会話を引用する。
出典落窪物語 二
「『かう病み給(たま)ふがわびしさ』とては、また寝入りぬ」
[訳] 「こんなに痛がりなさるのがつらいことだ」と言っては、また寝入ってしまった。
②
…としては。▽考える内容を引用する。
出典落窪物語 二
「いみじう悲しくて、ただ頼む事とては、涙とあこぎとぞ心にかなひたるものにて」
[訳] たいそう悲しくて、ただ頼りになるものとしては、涙とあこぎ(=侍女の名)とが心にかなったもので。
③
…だって。▽下に打消の語を伴って強く指示する。
出典生玉心中 浄瑠・近松
「酒とてはござらぬ」
[訳] 酒だってございません。
なりたち
格助詞「とて」+係助詞「は」
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