学研全訳古語辞典 |
なに-かは 【何かは】
分類連語
(一)
〔「なに」が代名詞の場合〕何が…か(、いや、…ない)。何を…か(、いや、…ない)。▽多く反語の意を表す。
出典徒然草 二一
「折に触れば、なにかはあはれならざらん」
[訳] よい時機にあたれば、何がしみじみとした興趣がないことがあろうか、いや、ないわけはない。
(二)
〔「なに」が副詞の場合〕
①
どうして(なぜ)…か。どうして…か、いや、…ない。▽疑問・反語の意を表す。
出典古今集 夏
「蓮葉(はちすば)の濁りに染(し)まぬ心もてなにかは露を玉と欺く」
[訳] ⇒はちすばの…。
②
なんの。どうしてどうして。いやなに。▽感動詞的に用いる。
出典枕草子 つねに文おこする人の
「なにかは。言ふにもかひなし。いまは」
[訳] なんの。なにを言ってもむだだ。もう(別れよう)。◆「かは」は係助詞。
語法
文末の活用語は、多く連体形となる。
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