学研全訳古語辞典 |
なにはがた…
分類和歌
出典百人一首
「難波潟(なにはがた)短き葦(あし)の節(ふし)の間(ま)も逢(あ)はでこの世(よ)を過ぐしてよとや」
出典新古今集 恋一・伊勢(いせ)
[訳] 難波潟に生えている葦の、あの短い節と節との間のような、ほんのわずかな間でさえも、会わないでこの世を過ごせとおっしゃるのですか。
鑑賞
「短き葦の」までは「節の間」を導く序詞(じよことば)。「この世」の「世」は「節(よ)(=ふし)」を響かせた「葦」の縁語。
難波潟
分類地名
歌枕(うたまくら)。今の大阪市の上町(うえまち)台地の西側に広がっていた海で、旧淀(よど)川の河口にあたる。港である「難波津(なにはづ)」があり、浅い海だったので航路を示す「澪標(みをつくし)」が立てられ、あたり一面に「葦(あし)」が生い茂っていた。歌では、「澪標」「葦」などが景物として詠まれる。「難波江(え)」とも。
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