学研全訳古語辞典 |
なみ 【並み】
①
同じ程度であること。同等。同類。同列。
出典源氏物語 帚木
「かの中の品々取り出(い)でて言ひし、このなみならむかし」
[訳] あの中流の例としてとりたてて言ったのは、これと同等であるようだ。
②
共通する一般的な性質。通性。
出典大鏡 道隆
「老いのなみに言ひ過ぐしもぞし侍(はべ)る」
[訳] 老人の通性として言い過ごしもするのかもしれません。
-なみ 【並み】
①
同じものが並んでいること、また、重なっていることを表す。「歯なみ」「山なみ」。
②
同じものが一定の単位で繰り返されることを表す。「月なみ」。
③
同程度・同類の意を表す。「人なみ」
なみ 【波・浪】
①
波。
出典笈日記 俳諧
「清滝やなみに散り込む青松葉―芭蕉」
[訳] 清滝川の清冽(せいれつ)な流れ。その波の中へ松の青葉がはらはらと散り込んでいる。
②
波のように起伏が生じるものをたとえていう。
出典万葉集 一〇六八
「天(あめ)の海に雲のなみ立ち」
[訳] ⇒あめのうみに…。
③
年老いて皮膚にできたしわのたとえ。
出典古今集 仮名序
「或(ある)は年ごとに鏡のかげに見ゆる雪となみとを嘆き」
[訳] ある者は年ごとに鏡に映る姿に見える雪のような髪と波のようなしわとを嘆き。
な-み 【無み】
⇒わかのうらに…。◆派生語。
なりたち
形容詞「なし」の語幹+接尾語「み」
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