学研全訳古語辞典 |
まど・ふ 【惑ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
乱れる。思い悩む。迷う。途方に暮れる。
出典徒然草 五三
「酒宴ことさめて、いかがはせむとまどひけり」
[訳] 酒宴は興ざめになって、どうしようかと途方に暮れた。
②
うろたえる。悲しみもだえる。あわてふためく。
出典竹取物語 ふじの山
「血の涙を流してまどへど、かひなし」
[訳] 深く悲しんで血が出るほどの涙を流して悲しみもだえるが、どうしようもない。
③
さまよう。迷い歩く。
出典伊勢物語 九
「道知れる人もなくて、まどひ行きけり」
[訳] 道を知っている人もいなくて、まよいながら行った。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
〔動詞の連用形に付いて〕ひどく…する。たいへん…する。
出典今昔物語集 二八・四二
「『物取らむとて入りにけるとぞ』と思ひければ、あわてまどひて」
[訳] 「物を盗もうとして入ってきたな」と思ったので、ひどくあわてて。
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